オバケの駐在所

「……ちなみに聞くけど
呪いを解く方法とかって
ないわけ?」

「ええ?
祟りが怖くなったの?」

ノンノン、
もともとそれを聞きに
交番を訪れたのだ。

呪いなんて
都合のいいものが
そう簡単に
おこるわけがない。
だいたい利己的な
こんな世の中だったら
そこら中で怨念が
行ったり来たり
してるはずだろう。

私の知る限り
怨霊とか悪霊というものは
川の流れから外れた
淀みのような
吹き溜まるもの。

あーすればこーなる
都合のいい
魔法みたいな
ものではないし、
だから厄介なのを
知っている。

「呪う理由によっては
様々だけど
動物の皮とか
骨が効くらしいぞ。」

私はこう見えて
現実主義だ。
目に見える物がすべて。
そこで起こった事が事実。
迷信に振り回されるほど
くだらないものはない。

だけど私等の場合、
視る力があり
その現実が
一脱しているから
手探りで進んで
いかなければならない。
視えるから
進めるのかも
しれないのだけど。

……明日骨の事、
あの兄弟に教えてやるか。