オバケの駐在所

「しー、ここの校長に
パトロールを
直接依願されてんだよ。
だからたまの仕事終わりに
ちょろっと……。

警察って事は内緒な。」

そう言って指を
口元に当てるおじさん。

「えー!?
おじさんよく見るけど
警察だったの!?」

隣の志野ちゃんが
事も大袈裟に
食いついてきて
大声を出された
ハジメさんは
何故か怪訝な表情を
浮かべながら
たじろいだ様子。

「お、あれ?
そうそう。
……君も内緒な。」

……隣にいたっつーのに。
大丈夫かなこの人。

私が頭を抱えながら
呆気にとられていると
奥のブルペンで
キャッチャーマスクを
外しながら
こちらに背を向けて
投球を受けていた
お兄さんのほうが
不意に振り返った。

すぐに姿勢を元に戻したが
まるで警察の言葉に
反応したような
そんな不信な挙動は
私の心を少し傾がせる。