怖くて、怖くて…


この現実から逃げたくて…


少しでも安心できるところにいたくて…


…気付けば王龍の倉庫に向かっていた


バンッ


「…っ!?総長っ?だ、大丈夫ですかっ!?」


「…はぁっ…はぁっ」


動揺と焦りで、うまく呼吸ができない


「…か……ず…くん、を………」


「和志さん?ちょっと待ってて下さい?今すぐ呼んで来ますから」


うちの情けない姿を見て、みんなが驚いている


…あんま、見られたくないわ


ダダダダダッ


「姫っ」


「凪瑠?」


「…っ!凪瑠さん!」


「凪瑠さん!?」


すぐに、和くんたちが来てくれ、とりあえず奥の部屋に運ばれた


「…大分落ち着いたか?…どないしたん?言わんとわからんで?」


「…ん。さっき、電話かかってきたんや。…"アイツ"から」


「"アイツ"…?」


この部屋にいるメンバーでは、慎以外、全員"アイツ"のことを知っている


「…うちの、おじさんや」


「…おじさん?」


「あぁ」