「もう、いい加減にして…っ…!」
次の瞬間には、想像していなかった怒りの言葉に肩が跳ねていた。
心臓が氷水にさらされたみたいに締め付けられて、一瞬にして周りの音が消えていく。
「いつになったら外にでてくれるの!?もうこんなに時間経っちゃって……」
「親はいつまでも元気な訳じゃないのよ?親がいなくなったら、どうやって暮らしていくの……?!」
次第に、その声は震えて、鼻声になった。
「もう、お母さん……疲れた。どうしたらいいのか分からない、もう、無理、あなたを育てていける自信ない…お願いだから、いい加減に出てってよ……!」
母は嗚咽をもらしながら、泣いていた。
心臓が、ズキズキと痛いんで、視界が霞んいく。
いつもは気丈だった母が、今、こんなにも感情を露にして泣いている。
それだけ、私が母を追い詰めていたという事実を、今、改めて思い知った。
もう、あの頃の笑顔はない。私が、壊してしまった。
悲しさと、寂しさが押し寄せる。ふっ、と母との距離が遠くなっていく気がした。

