「…さいちゃ、才さん」
「昔の呼び方のままでいいよ小夜ちゃん」
「……それは恥ずかしい。皆もう昔と違う大きくなったし」
小学生の頃からの付き合いだったがバンドが楽しくなり一緒にいる機会が減り、心夜の死により会うことはなくなっていた。
彼らのバンドは中学時代に始めたものだ。
ちょうど三年前。
各々音楽は好きでやっていたからすぐにやる気になった。
「葵くん、旭くんも変わった。旭くんは背小さいままだけど」
「うっせー!これから伸びるんだよ!」
「さっきは呼び捨てにしてたんだからいいんだぞ小夜」
「あれは…気が動転してたから…あと葵くんそんなにチャラくなかった」