「あ、あの!」


「…何か?」


歌っている時とはどこか違っていた。


目には光がほぼなく表情も無に近い。


けど、その歌は確かに本物だった。


「用がないなら帰りたいのだけど」


冷たい物言い。


でも、彼女の事が気になった。


目が離せないぐらいに。