何文字か打って、その文字分クリアキーを連打する。 さっきからもうこれで何度目だろう。 ふと画面下の時計を見ると30分は経っていた。 伝えたいことはたった一つのはずなのに。 言葉が多すぎる、と思う。 だけど、あたしの気持ちにぴったり合う言葉は存在しないんじゃないか、とも思う。 無駄な言葉が多すぎる。 本の一節 流行りの唄の歌詞 授業中に回ってきた少女漫画 それらの既成の言葉の中に探し求めている言葉はなかった。