「分かった。」 ほっ やっと、諦めてくれたか。 じゃあ、さっさと家に帰ろう 「じゃあ、また明日」 オレは、そう言って開いているドアから出ようとした。 そして、そのまま出て行くつもりだったのに―― 「待って」 長島の手がオレのワイシャツを掴んだ。 オレは、声がしたほうを振り返り 「なに。まだ用あんの?」 長島を見ると、泣きそうになっていた。 「あたし、諦めるなんて言ってないわよっ」