年下の幼なじみ【完】



「どうしたの?翔」


「オレのメール見なかったのかよ」



「あ…
気づかなかった!!」


一瞬、目を泳がせてから勢いよく言った。



…バレバレだっての。



「なぁ。なんか怒ってるわけ?」


「怒ってないし!」


「じゃあ、なんでメール返さないんだよ」



「そ、れは……」



それから、黙ってしまった葵。



しばらく、足の音だけ虚しく聞こえて。



「じゃあね、あたし家帰るから」


そう言って、葵が家に入ってこうとするのを急いで止めて、



「オレも行く」


と、言った。