「もう、どうせばれたんだし、殴れば?」


覚悟を決めたように、目を強くつぶった。



「─…ただし、オレの妹には悪くないんだから、責めるなよ」




ドアのところに立っている長島を見ると、悔しそうに下唇を強く噛んでいた。




「何言ってんだよ、こいつもおまえとグルなんだろ」


そう言って、長島を無理やりに、腕を引っ張って葵のところに連れてきた。




「……あたし、謝らないから」



小さく呟いた声に、「…は?」と声を出してしまった。




「あたし、謝らないからっ!」