「はい。これ以上、オレの葵に近づかれたら困るんで」 翔は、笑顔で答えた。 えっ、えっ? 自分の顔の体温が上がってるのが分かる。 「葵、はやく」 「あ、うん」 翔の言うとおりに、立ち上がると、翔があたしの手首を掴むと、引っ張っていった。 後ろからは、女の子の悲鳴のような声が聞こえてきて、翔はモテるんだってことを実感させられた。 ─…翔 なんで、さっきあんなこと言ったんだろ いつもは、そんなこと言わないのに…… 翔は、近くの空き教室を開けると、入っていった。