「翔くん、あそこにいるよ」 紫帆が教えてくれたところを見てみると、 翔と“ばちっ”と目があった。 翔…、また美里ちゃんといた… あたしは、慌てて目を逸らした。 だけど 「─…葵」 翔があたしのところまで、来ていた。 「翔っ!」 「飯、食い終わった?」 「え?」 飯? 「うん、食べ終わったけど…」 「じゃ、ちょい、来て」 来てって、どこに? それよりも、あたしたち、すごい注目浴びてる! 「あ、翔くん。ヤキモチ?」 紫帆が翔を茶化すように、余計な一言を言う。