私が黙ってちょっとしてから佐伯くん?かはまだ分からないけれど、その人はあっさりと手を放してくれた。


「……ふぁ。」

思わずホッとする。



そしてまた無言が続く。





てか、もう一回佐伯くんなのか聞いてみよ。

薄情せいっ!



「.........あの。」

私が恐る恐る話しかける。



「……なんだよ。」


うわっ……不機嫌な声。



でも怯まないよ!

「………あなたって。」




私がそこまで言うと、はぁ…とため息をついて、




「あぁ……俺は佐伯蓮だ。」


諦めてそう言い放った。