Iの漂流戦士






【オフィスビル26階 屋上】





『それ、自分で書いてて虚しくならない?』

座っている一馬の後ろからパソコンを覗き込む修
。カチカチ……カチカチと手を動かして一馬は言った



『なりません』


事件が起こる前に必ず書き込まれる“速報”の文字
。それを書き込んでいるのは管理人である一馬だった


勿論その事は掲示板の住人は知らない


修は全く掲示板に興味がないらしく、自ら掲示板を見た事はない

こうやってたまに一馬のパソコンを覗く程度で、いつも他人事のような態度だった



『つーか掲示板って何の為にある訳?』


修はそう言いながら、屋上の隅で小さくなっているナノハに学ランの上着をかけた

スヤスヤと子供のような寝顔は自然に心が安らぐ




『ギャラリーは多い方が盛り上がるでしょ?』



カチ…カチ……とキーボードを動かしている間にも数え切れない程のカキコミが表示されていた



『“らしく”ない事言うんだな』


修は一馬の言葉に少し驚いた

寝ているナノハから離れ再び一馬に近付く



『僕じゃなくて功さんがそう言ってました』


成る程ね……と妙に納得した修は一馬の隣に腰を下ろした



『元々は功さんが立ち上げたサイトなんですから功さんが管理するべきですよ』

一馬と高木功は決して仲が悪いという訳ではない


しかし賢い者同士、口には出さないが心の中で胸の内を探りあってるのは事実だ