Iの漂流戦士






少年はそんな横顔をいとおしそうに見つめた



『あの赤いランプより月の方が綺麗か?』


下でクルクルと回り続けているランプにナノハは目もくれない


『うん。でも今日はもっと綺麗な物を見た』


『へぇ…どんな物?』


事件現場では慌ただしい空気が流れているのに、それを起こした本人にはゆっくりとした時間が流れていた


『蛍光緑の蝶々が私に寄ってきたの』


少年は『そうか』と言い優しくナノハの頭を撫でた


それに応えるかのようにナノハは少年の肩に体を預ける

その様子をチラッと一馬見つめ微笑んでいた



『あ。そう言えば功が来てたよ?』


少女は体を戻し、思い出したように言った



『へぇ…功さんが?珍しいですね』


ナノハの言葉に一馬がすぐさま反応する


『自分の撒いた種に芽が出る瞬間を見に来たんじゃねーの?』


少年は手すりに両肘を付き呟いた

その言葉の意味に深く突っ込む人間はこの場には居なく、皆言っている事を理解している様子だった



『でも事件があった街に居たらまた噂になっちゃいますよ?』

一馬は掲示板を見つめ、高木功が目撃されなかったかを調べた


『そん時はまた揉み消しよろしくな。管理人』


右手を少し上げ“blood-staned warrior”の管理人である一馬に頼んだ



『言われなくてもやりますよ』


時間が経つ事に現場には人が増えてゆく

0時を回り夜空の色も漆黒に染まっていた

その色に同化している少年の服装も高木功同様、黒い学ランを着ていた


そして-------。

空に光っている月だけが首元の“01”と書かれたナンバーをとらえていた