『俺、ずっと考えていました。何故兄さん達は星野さんを信じてその言葉に胸を打たれたのか』
高木功は2年間別の場所で暮らし、穏やかに生活する事で見えてきたものがある。それは……………
『あなたは言葉を選ばず、いつも全力で俺達に接していた。だから腹が立ったしムカつきました』
『………………』
『でもだからこそ、あなたの言葉は響くんです。
一馬もナノハちゃんも兄さんも星野さんみたいな人が必要だったんだなって』
憎まれ口はもう言わない
大切な人が信じたものを信じる事で成長できる。環境も心も
『漂流していたのは兄さん達だったのかもしれません』
正義は今までの事を思いだし、長かったような短かったようなあの日々を振り返った
もしかしたらこれは誰かを救う事じゃなく、彼らや彼女らが自分を探す物語だったのかもしれない
そんな事を思っている中、高木功が驚く事を口にした
『…………実は俺、また執筆してるんです。いつか
一冊の本にしようと思って』
『本?』
それは以前のように世に出す本ではなく、自分の為に書き自分の為だけの世界で一冊だけの本
『記憶ってどうしても色褪せてしまうから。忘れないように今までの事を執筆し始めたんです』
いつでも振り返れるように
辛い事も楽しい事も忘れたくない事も
『今までの事って…………』
正義がそう問いかけると、高木功がニコリと笑った
『1人の教師が殺人鬼と言う名の戦士達を救う話です』
それは星野正義という男が主人公の物語
----------------タイトルは【Iの漂流戦士】



