『高木君はその……元気だった?』
2年間、正義はずっと気にしていた。何も言わずに居なくなり、どこに居るのかも分からない高木功の事を
きっと口には出さないけど倉木も同じ気持ちだっただろう
『元気でしたよ。今住んでる場所はけっこう小さな町で、俺の事を知ってる人は居ないので快適です』
高木功の顔を見れば充実した毎日を送っている事が分かる
それを見た正義は心の底からホッとしていた
『それなら良かった。そう言えば高木君は今年受験生だよね。進路はどうするの?』
高木功も高校三年生になり、今年は選択の年。
『正直、まだ決めてません。将来の事は分かりませんがこれからゆっくり考えますよ』
そう言った顔が正義には何故か兄である修の顔と重なって見えた
眼鏡を外し、背筋を伸ばした高木功は修の面影と共に成長している
『もしかして今、俺と兄さんを重ねました?』
----------------ギクッ。
正義の心の声が聞こえたみたいに高木功にはお見通しだった
『いや、それはその…………』
戸惑う正義に高木功はふっと空に目を向ける
『俺も時々、鏡に映る自分を見ると兄さんに見える時があります。兄さんはもう居ないけど自分を通して会えるんですよ』
色々な事を乗り越え、受け入れた高木功は誰よりも強い
そしてきっと、彼ならば将来の事も最善の選択が出来るだろう
負けないように自分も頑張らなくては。正義はそう強く思った



