Iの漂流戦士





しかし、実際正義が目の当たりにしたのはテレビドラマの範囲を大きく越えた光景だった


深夜にも関わらず子供達が夜の街に居る

平気で酒やタバコに手を伸ばし、路地に座り込んでいた


話しを聞くと家には帰りたくないと皆が口を揃えて言う


正義は色々な若者とふれ合う事で今まで知る事のなかった事実を知った


それは心に傷を抱えているという事


表では派手に着飾って、挑発的な態度を取るのに

『何でも聞いてあげるから話して』と言った途端、ボロボロと涙を流すのだ


正義は心の底から救ってあげたいと思った

10代は一番楽しくて輝いてる時期なのに


正義は自分の明るい生徒達を毎日見ているせいか余計に心を痛めた


“このままではいけない”
そんな気持ちが高ぶっていた


そしてそれに重なるようにテレビに流れた殺人鬼の実体


正義はいてもたってもいられなかった

無差別にやっている犯行じゃないだけに、何か理由があるはず


人を殺している理由

そうしなければいけない理由


そこまで心が壊れてしまった理由


正義は救いたかった

殺人鬼ではなく心に傷を抱えた
一人の人間として