『最後まで真面目な奴だな。わざわざそれが言いたくて来たの?』
高木功は一馬の目を見ようとしない。この間にも一馬の時間は限られている
『僕は自分の言いたい事を言いに来ただけじゃない。功さん、あなたの本音を聞きたくて来ました』
『本音?』
喧嘩をした事も言い合いになった事もあるけど、高木功が本当に思ってる事はまだ聞けてない気がする
きっとそれを聞き出せるのも、言いやすいのもこの時だけ
『僕はもう居なくなる。あなたの吐き出せない本音は僕が持っていきます』
--------自分の周りにはずるい人ばかりだ。こんな事を言われて本音を言わなかったら悪者になるだけじゃないか
高木功は少し考えるように無言になった。そして、
『…………………俺は自分の黒い部分を兄さんやナノハちゃんには見せたくなかった。でも今考えれば一馬の前では随分見せていた気がする』
『そうですね。おかげで僕はあなたが苦手でした。でも嫌いと思った事は一度もないです』
それを聞いた高木功は少しずつ本音の鎖をほどいてゆく
『……………兄さんもナノハちゃんも一馬もそうやって俺を受け入れてくれた。その存在がなくなったら俺はどうすればいい?』



