Iの漂流戦士





一馬の本音。正義は殺人鬼としてではなく、戦士としてではなく同じ人間として話に耳を傾けた



『多分僕は気付いていたのかもしれません。僕達が戦士としてやっている事は正しい事じゃないって』


『…………………』


『星野さん。憎悪や悲しみが消えないのなら一体どうしたら僕達は救われるんですかね?』



誰も居ない教室で一馬は正義の目を見つめた。この問いかけはきっと一馬がずっと追い続けていたもの

綺麗事や理屈を並べれば答えは何通りもあるだろう

でも本当に納得できるもの、胸を打つような答えにはまだたどり着けてない



-----------------その時、黙っていた正義が口を開く






『きっとそれは屈しない自分の心だよ』




何故だかギュッと締め付けられるような感覚。一馬はそっと胸に手を当てた



『…………屈しない自分の心………?』


『うん。悲しい事があっても苦しい事があっても、決して屈しない強い気持ち。君はもう持ってるじゃない』



今まで幾度も交わした会話や喜怒哀楽の顔。それを通して見た時に一馬はやっぱり自分以外の人を思いやれる優しい人だった



『………………僕が?』


一馬が首を傾げる中、正義はそっとその肩に触れた



『君は過去に起きた悲しみより憎しみで溢れた苦しみより、大切な人達が幸せになれる方々をいつも考えてた。君の優しさ、君の強さ、君の屈しない心が過去よりも未来を優先したんでしょ?』