Iの漂流戦士





一馬は正義の言葉に動揺する事はなかった



『必然じゃないですか。星野さんもこのタイミングでおかしいと思ったでしょ』


仮に情報が自然にではなく意図的だったとしたら
、真っ先に高木功が怪しい

正義の前で何度も修達を救う事を反対し、その奥底で眠る黒い部分はいまだに計り知れない。だけど-----------。



『きっと高木君じゃないよ。確かに高木君は修君達がここに留まる事を望んでる。でも兄弟の絆を安売りするような事は絶対にしないよ』


『……………』



一馬は返事をしなかったけど、多分本気で疑っていた訳じゃない

ただ誰かのせいにしたかった。そうじゃないと不満を吐き出す場所がなくて



正義はその後、入沼中学校の校内に入る為に倉木に連絡をとった

その理由はここの教員のひとりと倉木が古い友人関係だった事に気付いたから


電話で事情を話すと倉木はすぐに理解してくれて、その教員を通して校内に入れる許可をとった

どんな説明をしたのかは分からないけど、倉木の事だから上手く言ってくれたのだろう



校内に入ると人気(ひとけ)はなく、どうやら今日は開校記念日で休みだったらしい


『そうじゃなきゃさすがの僕も校内に入りませんよ』なんて一馬は笑ってみせた



正義にとって中学校の校内は高校とは違いどこか初々しい感じがした


『中の匂いって変わらないですね。ここに通ってた事は随分前のように感じてたんですが、思えばまだ1年しか経ってないんですよね……』


一馬は自分自身に問いかけるように染々と言った