【同時刻 緑丘町 大通り】
一方その頃、枝波修は珍しく町中を歩いていた
“あの人がもう一度二人で会いたいって”そうナノハから言われた倉木の伝言
ここ数日、修は色々な事を考えたがやっぱり避けて通れないのは倉木の事
自分はこの世界に未練はない。ずっとそう思っていたけど倉木に伝えたい事はないのかと聞かれれば嘘になる
逃げていた事、避けていた事
本当の意味で変わる為には倉木と直接向き合わなければいけない
『変わらないな。この町の匂いは』
こうして緑丘町を歩くのは生前以来。この風景や匂いは普通に学生として生きていた頃を思い出す
過去は辛い事ばかりだったけど、学校は嫌いじゃなかった。もう通う事は二度と訪れないけれど
修は町中をゆっくりと周り、その足は母校である緑丘高等学校に向かっていた
そこに行けば倉木が居る。
何から話そうか。そんな事を考えてる中、学校の近くの電気屋の前を通った。
----------その時、テレビの報道番組が修の目にとまる
それは本日発売された週刊誌の記事をパネル付きで説明している様子だった
『一年前に東和市岼根町で起きた事件。当時17歳であった息子が父親を刺し殺した残虐な事件の新たな情報が本日発売日の週刊誌に掲載されました。それはメディアでも注目のされた本の著者、T君と実は血縁関係にあったという事。容疑者であり事件の後自殺したS君とT君は異母兄弟で、殺された枝波 孝之さんはT君の父親でもあったようです』



