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それからどのくらい時間が経ったのだろう
気付くと頭上には黄色い満月が浮かんでいた
そんな月明かりの中、ナノハは気付くと裏庭の隅に座っていた
落ちたはずなのに痛みもないし、記憶もない。今どんな状況なのか分からない
『-------よう』
突然聞こえた声にナノハはビクッと体を震わせた
『怯えなくていいよ。別に何もしねーから』
そこに居たのは見知らぬ少年。いつから居たのだろう。さっきまで居なかったのに
『俺は修。お前の名前は?』
ナノハは名前を聞かれて首を横に振った。だって自分の存在が嫌で屋上から飛び降りたのに
『じゃ、質問変える。今の状況理解出来てる?』
ナノハは下を向き、その質問にも首を振った。すると修はゆっくりとある場所を指差す
『見てあそこ』
その指を辿ると、少し向こうにうつ伏せで横たわるナノハの姿があった
ナノハは自分の姿を確認して、思わず目を反らす
『多分明日の朝には発見されるよ。それできっとみんなに死が伝わる』
ナノハは恐る恐るもう一度確認して修を見た
『………それならどうして私は今ここに居るの?』
あれが自分なら、今の自分は幻想か化身。なのに空気の匂いや湿った土の匂いは認識できる
『さぁ。あの世に行けない理由があるんじゃねーの?』
ナノハに分かる事はもう一つ。目の前の少年、修もまた自分と同じ存在である事
死んだならいい。もう恐怖に怯える事は何もない。それなのにナノハの心はまだ晴れない
---------すると、修がポツリと呟いた
『なんで心が綺麗な奴ばっかり損する世界なんだろうな』
修の言葉があまりに切なくて、ナノハはまた泣きそうになった
前に心が綺麗だと言われた。それが嬉しかったような寂しかったような……。
でももういいのだ。思い出さなければ苦しくない
『君はずっとここに居るつもり?』
満月に照らされた修がナノハに問いかける
『……………分からない。ただ私はもう誰とも関わりたくない』
例えどこにも行けなくても一人の方がずっとずっと楽。そう思っていると………
『関わらなくてもいいから早くこんな場所から離れようよ』
修がナノハに手を差しのべた
予感がする。きっとこの手をとったらまた自分は甘えてしまうんじゃないかって
『ここに居たら明日も明後日も見たくないものが見えるだろ。わざわざ苦しい場所に居なくていいんだ』
逃げてもいいと言われている気がした。ナノハは修の手に触れると、そのまま軽く握る
その手は冷たかったけど、それ以上にナノハの手も冷たかった
『もう一度聞く。名前は?』
『…………ナノハ』
そして後に世間を騒がせる殺人鬼となって、ナノハは世界を変える為に動くのだった-------。
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