急に不安になったナノハはすぐに桜の元に行こうとしたが、洋太に腕を掴まれた
『いいじゃん。話そうよ?ここで会ったのも何かの縁でしょ?』
初めて男子に腕を掴まれたナノハは一気に真っ赤になってしまった
『はは可愛いね。別に焦んなくていいからゆっくりナノハちゃんの事教えてよ。ね?』
優しい口調とその笑顔にナノハは少し冷静になる。“ゆっくり”と言う言葉で何故かホッとした
今までの男子は結論ばかり急いで、いつも相手のペースに飲まれていたから
色々と考えながら通ってる学校の事とか得意な科目とか、小学生がするよう話をナノハはした
だけど洋太は『うんうん』と頷いてくれて、少しずつ緊張がほどけていった
その様子を見ていた他の男子もナノハを囲うように座り、いつの間にか色んな人と話せるようになっていた
ここに来た目標は変わるきっかけを掴む事と視野を広げる事
全てが変われた訳じゃないけど、少しは人に慣れる事が出来たかもしれない
-------------------------
---------------
-------
その帰り道、ナノハは桜と夜道を歩いていた
日が暮れるまで遊んだのは初めてだし、月を見たのも久しぶりに感じた
『桜……私少しは変われたかな?』
夜空を見上げながら、ナノハは桜に問いかけた
『さぁ?』
桜は洋太の家を出てからずっと携帯をいじっていて、ナノハの問いにも薄い反応
『あ、えっと。桜は友達とか出来たの?』
慌てて話題を変えるが、桜は携帯を見たまま
洋太の家で沢山の人と連絡先を交換していたから、そのメールを打っているようだった
ナノハは連絡先を聞かれたけどそれにはまだ抵抗があって教えられなかった
結局、桜とはそのままろくに会話もせず別れた
態度が少し冷たいような気がしたけど、きっとメールを打つのに忙しかっただけ。明日になればきっとまた話せる
ナノハはそう思いながら家路に向かった



