【同時刻、30階建てビル屋上】
『ここに座ってもいい?』
その言葉に少女はニコリと頷いた
冷たいコンクリートの上で少女は捨て猫のようにうずくまっている
『このビルってこの街で一番高いらしいね』
少年は少女の隣に座った
『だから選んだの。ほら…高いと飛べそうじゃない?』
少女の不可思議な言動に慣れているのか少年は優しく微笑んだ
『でもどうしてここに?みんなは26階のあそこのビルに居るよ』
少女はスクッと立ち上がり、向かいのビルを指差した
『知ってるよ』
少年もそれに合わせて立ち上がる
誰も居ないビルの屋上に人が居る事自体おかしいのだが、もっと異様だったのは二人の服装だった
少女はセーラー服。少年は学ランを見にまとっていた
未成年なんて下を見ればうじゃうじゃと居るが、制服を来て夜遊びする人は居ない
それなのにこの時間帯に平然と制服を着ている二人は人目につかない場所とはいえ、ありえない光景だった
少女は手すりに手を置き、月を眺めている
黄色い月の色は少女の髪と同色でキラキラととても綺麗に輝いていた



