そして殺人鬼は左手で男の胸ぐらを掴み、いとも簡単に投げ飛ばした
-------ドンッ!!!!!
鈍い音が鳴り響き、男はそのまま壁に打ち付けられてしまった
その反動で男は地面にしゃがみこむ
何故……?
体も腕も自分の方が勝っているのに何故簡単に投げ飛ばす事が出来る?
男は死を覚悟した、
格が違い過ぎる
こいつは殺人鬼ではない
化け物だ
しかし一つの望みが頭を過った
それは“生徒達”のたわいのない会話
“03の殺人鬼は優しい殺人鬼なんだって”
----優しい殺人鬼なんてそんなもの、存在する訳がない
男はずっとそう思ったが今はそれが希望の光でもある
もし、目の前の男が“03”なら話せば分かってくれるかもしれない
優しい殺人鬼ならば、自分は殺されずに済むのではないかと考えた
男は満月に照らされる殺人鬼の首元に注目した
首元には殺人鬼のナンバーが記されてある。それはテレビや噂で嫌という程聞いていた情報だった
『………ッ…』
ナンバーを見た瞬間、男は本当に本当に終わったと思った
“01”
今、最も見たくなかったナンバーが見えてしまったのだから
“殺人鬼の中でも01は一番残酷なんだって。その理由はね…”
再び生徒の会話が頭を過る
“首だけをバッサリ切って去って行くから”
ザッー…………
大きな鎌が男の首に降り下ろされ、白い仮面に無数の血が飛び散った



