Iの漂流戦士






一馬へのいじめはその内ウィルスみたいに伝染して、見知らぬ人にも陰口を言われるようになった



『キモッ』『うざい』『近寄るな』


女子も男子も関係なく、廊下をすれ違うだけで言われる


いつのまにか背筋も丸くなり、一馬はうつ向いて歩くようになっていた



『……痛ってーな。うわ、こいついじめられてる奴じゃん』


肩が軽く触れただけで、腫れ物扱い


一馬本人もこんなに広がるなんて思ってなかった


自分は何一つ悪くないのに顔を上げる事さえ出来ない



『おい。てめえいつになったら金持ってくんだよ』


斉藤の荒々しさも、日に日に増していく


『………』


一馬の唯一の抵抗はお金を渡さない事。どうせ渡した所で状況は変わる事はない

---------その時、一馬の腹部に今まで感じた事のない痛みが



『言ったよな?いじめの度合いはお前次第だって』



思わずうずくまる一馬を斉藤はニヤニヤと見つめている



『よし。決めた。お前は今日から俺のサンドバックになれ』


『な………』


反論しようとした一馬の身体を壁に押し付け、わざと足を踏んだ



『大丈夫だよ。バレないように顔はやらねーから』



-----ドスッ。


小さい体が斉藤の拳によって折り曲がる


-----ドスッ…ドスッ…


その後も無条件に一馬は斉藤に殴られ続けた