一馬は頼まれたプリントを机に入れて、斉藤から逃れるように教室を出た
廊下には小学校の時に良く遊んだ友達が居たけど、最近は目も合わせる事はない
一馬が斉藤に目をつけられてると知ってから、突然友達は友達じゃなくなった
標的が自分じゃなければいい。斉藤はそのぐらい学年でも一目置かれている存在だった
『おい。金貸してくんない?後で返すからさぁ』
斉藤のいびりは放課後も続く
面識のない他のクラスの男子を引き連れ、一馬を取り囲んだ
『……ないよ。学校にお金持ってきてないから』
『はぁ?じゃぁ調べるからカバン貸せよ』
そう言って斉藤は一馬のカバンを乱暴に奪った
-----ドサッ……とカバンの中身を床に出され、ノートやシャーペンが無造作(むぞうさ)に散らばった
『ち。本当に財布持ってきてないのかよ』
何故か名前も知らない男子に舌打ちをされた
『ったく使えねーな。明日から持って来いよ』
-----何の為に?
そんな反論をした所で状況は悪化するだけ
教室には何人か人が居たけど、みんな見てみないふり



