【オフィスビル26階 屋上】
今日の夜空は綺麗な満月と月が輝いている
そういえば“あの日”見た夜空もこんな感じだった
『今同じ事考えてますね』
屋上の手すりに手をかけて、一馬が珍しく空を見上げていた
『あぁ、お前と初めて会った時の空にそっくりだ』
修の瞳には星が映っていて、キラキラと綺麗だった
一馬は修と初めて交わした言葉を思い出していた
“僕はただの臆病者で、ただの弱虫ですよ”
“ふーん。じゃぁ、お前は臆病者で弱虫で優しい奴なんだな”
“…………”
“いいじゃん。俺がそう決めたんだから”
『……あれから一年の時が過ぎたんですね』
一馬はそう染々と言った
それはとても早くて、修と過ごした一年はあっという間だった
『まだ迷いは消えませんか?修さん』
修はその問いかけに振り返る事はなかった
もしかしたらそれが答えなのかもしれない
『修さんはいつも自分より他の人の事を優先してきた。だから今度は自分を一番に考えて下さい』
一馬は気付いていた
修がまた苦しい道を選ぼうとしている事に



