【同時刻 高木家】




その頃、学校が終わり帰ってきた高木功は自分のベッドで寝ていた


母親が呼びにくる夕食までのわずかな時間


その間不思議な夢を見た


それはいつもの公園で修と話している光景



『この地球上で人間という生き物が一番多いのに、なんで人は一人になっちまうんだろうな』


修は少し寂しげに問いかけた


『きっといらない人間が多すぎるんだよ』


高木功はその質問をさらりと流す



『俺は絶対にこんな理不尽な世界を許さないよ』


修の表情は険しく、何かに怒ってるみたいだ


『どうするの?』


高木功がそう聞くと、修は決意したように笑う


『生まれ変わるんだ』


『何に?』



すると、修はベンチから腰を上げ歩き始めた



『殺人鬼という名の戦士』

その後、その言葉に付け加えるようにこう言った



『お前はこっちに来るなよ』





----ガバッ!!!!!


高木功は慌ててベッドから起き上がった

心臓に手を当てると動悸がしていて、とてもリアルな夢だった



『………兄さん…』


外を見ると大粒の雨


降り止む事を知らない誰かの涙みたいに


これが殺人鬼01

枝波修が生きた最後の日の出来事-------


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