Iの漂流戦士





【オフィスビル26階 屋上】




…………………………
………………

カチカチ………カチカチ………………カチ…カチ


時間は22時、夜空の下で静かに響く音

月明かりとパソコンの光だけが辺りを照らしていた



『こら、暗い中そんな事してると目が悪くなるぞ』

足音も立てずに現れた少年


『もう目は悪いですよ』

ニッコリと座りながらパソコンを打ち続ける別の少年は言った

目線は画面に集中したまま


『でも夜なのにここは随分と明るい方だよな。お前もそう思うから来たんだろ?一馬』


一馬(かずま)と呼ばれた少年は相変わらずパソコンばかりをいじっていた


『違いますよ。下はうるさいから嫌いなんです』


『確かに…ここは人の声すら聞こえねーもんな』


26階建てのビルの屋上は彼らのたまり場になっている

一馬は暫くしてパタンとパソコンを閉じた

スッとその場から立ち上がり、手を上に伸ばて伸びをしている


隣に居る少年より一回り(ひとまわり)小さい体に背丈も半分以上低い

まるで見た目は兄と弟のようだった


『大変そうだな。掲示板の管理人ってのは』

少年はスタスタと歩き、手すりから下を見下ろした