Iの漂流戦士






『別に普通だよ。最近はあんまり喋んないけど、普通のどこにでも居るような父親』



嘘を付きながら、高木功に何度も何度も心で謝った


本当は嘘なんて付きたくないし、2人でいる時は有りのままの自分で居たかったのに


だから嫌いだ

あんな父親なんて

死ぬほど、殺したいほど





『あれ?功?』


公園に響く2人以外の声


そこにはビニール袋を二つ持った女性が立っていた


きっと買い物帰りの途中で、この公園の前を偶然通ったのだろう



『お母さん……!』


------ドキッ

修の心臓が一気に跳ね上がる


高木功と一緒に居れば、いずれ会う事は覚悟していたけど

まさかこんなに早いなんて………



『どうしたのこんな所で?』


高木功のお母さんはビニール袋を揺らしながら2人に近付いてきた


修はその間、顔を上げる事が出来ずうつ向いたまま



『あら、もしかして功のお友達?』


とても品のある喋り方で、とても父親の不倫相手だったとは思えない

でも相変わらず修は顔が上げられない



『お母さんこの人は………』


高木功が何かを言おうとしたが、修は目で合図を送った


本当の事なんて言ったらいけないし、もう父親との縁は切れている


修がその子供だと知ったら、また嫌な思いをさせてしまう