胸が大きく開いたワンピースに、高そうな貴金属
。頭がクラクラするぐらいきつい香水の匂い
その全てが嫌で、もう話す気力も湧かない
『まぁ、私そうゆうの気にしないけどね。あ、そう言えば聞いたんでしょ?あの事』
『…………』
『ほら、修くんに弟が居るって話。あの人酔うと武勇伝のようにその話するからさ』
修は無意味に消えそうな街灯を見つめていた
もう何を言われても驚かないし、気にしない
『なんか睦八代中学っていう頭のいい学校に通ってるんでしょ?不倫相手の子なのに、なんかあっちの方がいい暮らししてるなんて皮肉だよね』
------------睦八代中学。
突然知ってしまった弟の居場所に修は動揺を隠しきれない
でもそんな中、女の次の言葉で修の表情が変わった
『だけど、修くんのお母さんも気の毒だよね。もしかして不倫されてたって知らずに死んじゃったのかな?』
『…………』
『なんか女として同情しちゃう。可哀想ってゆーか不幸ってゆーか……』
--------------プツン。
何かが切れる音がした
ドンッ!!!!!!!
気付くと修は横にあるコンクリートの壁を殴っていた
その振動で、街灯に集まっていた虫達が一斉に飛んでいく
『二度と母さんの事を悪く言うな。次言ったら………』
今まで見た事のない修の顔にさすがの女も驚いたようだった
『……そ、そんなに怒らないでよ』
女はそう言って、足早にその場を立ち去る
まだ気持ちが収まらない修は、拳を固く握りしめていた
“次言ったら………”
その言葉の続きはきっと冗談なんかじゃない
修の中に生まれた狂気は今も少しずつ増え始めていた--------------------------
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