Iの漂流戦士






商店街には時間と共に人が集まり始め、複数のグループに別れて各々の時間を過ごしていた



『……戸ヶ崎、さっきの偽善者の集まりってどうゆう意味?』


どうしても修には先程の言葉が引っ掛かっていた


愛の手の存在を知ったのも昨日が初めてだったし、その活動内容さえ把握(はあく)出来ていない



『そのまんまの意味だよ。あいつらは誰かの為とか言って結局自分の為に活動してんだよ。俺達みたいなガキを更生(こうせい)させて優越感に浸りたいだけ』


戸ヶ崎は数本のチューハイを飲み干しているせいか、少し酔っているようにも見えた



なぜ倉木がボランティア活動をしているのかは分からない

だけど確かに倉木は問題を抱えた生徒や問題児を放っておける性格でないし

学校以外の場所であのような活動をしているのも納得できる



戸ヶ崎の言う通り倉木はただの偽善者なのか、それとも………

--------------と、その時。


商店街が異様なざわめきに包まれた

それと同時に周りに居た人達の動きがピタリと止まる



『……な、なに?』


また愛の手が来たのだろうか?

でもみんなの様子が昨日とは違う


戸ヶ崎もどこかへ逃げようとはしないし、他の人達も慌てる様子はない


すると、戸ヶ崎がポツリと呟いたのを修は聞き逃さなかった



『多分睡眠薬だな。大量に飲んで意識失うパターン』


戸ヶ崎はまた新しい缶チューハイを開けて、ゴクゴクと飲み干した


『…………それって…』


修は勇気を出して聞いてみた






『自殺だよ。未遂に終わるかどうかは知らねーけど』