Iの漂流戦士







【私立睦八代中学校 】





この学校はここら辺では珍しい私立中学校で、

ここに入学した生徒は全員エスカレーター式に私立睦八代(むつみやしろ)高校へと上がる


そんな優秀な生徒しか入れないような学校に、教師も一目(いちもく)置く生徒が居た



『今回も学年トップだったね。君の成績なら全国模試一位も夢じゃないな』


ポンッと肩を叩いた男はこの学校の校長で、明らかに他の生徒とは違う態度だった



『期待に添えるか分かりませんが頑張ります』

その人物はニコリと笑う


『うん、うん』と満足そうに去っていった校長の背中を見つめ、ポツリと呟く声が



『………馬鹿らしい』

そこには冷めた目付きの高木功が居た


頭脳明晰(ずのうめいせき)、スポーツ万能

周りからは欠点すら見つけられない程、優秀な生徒


しかしその裏側には誰も知らない違う顔があった



本当は勉強なんて好きじゃない

ただ得意なだけ

スポーツも人より運動神経が良いだけ

それだけの事で周りの人間は期待するし、羨望(せんぼう)の眼差しで見る


それが苦痛に感じる事もあるけど、

否定するよりそんな自分を演じる方が楽だった