殴られた父親は怒るどころか笑っていた。それはニヤニヤとタバコをくわえながら
『なに笑ってんだよ…?』
その姿が本当に不気味で、寒気すら感じる
『……くっく、じゃぁ、おかしいついでにもう一つ教えてやろうか?』
『……?』
父親は吸い終わったタバコを灰皿にグリグリと押し付けながら言った
『お前には弟が居るんだよ。歳は確かお前の一個下だったはず』
---------------ドクン。
修の頭は理解出来ない事だらけでパンク寸前
『は?なにでたらめな事言ってんだよ。そんな事あり得る訳ねーだろ』
必死に修は冷静さを保とうとしていた
あり得ない、あり得るはずがない
そう自分に言い聞かせた
『なんでありえねーんだよ?母さんと結婚して一年目にお前が出来て、翌年に違う女の間に出来た子だよ』
父親はそう言い終わると平然とした顔で再び布団に横になる
何を言っているのだろう?
修は父親に対して怒りより、情けなさが増していた
16年間生きてきて初めて聞かされた事実
これが本当かどうかなんて知らない
ただ、この男なら
このどうしようもない男なら
あり得ない話ではないと思った



