Iの漂流戦士






その手には長い付け爪に赤いマニキュア

女との距離が近いせいか、香水の匂いが増す



『別にお父さんが居なくてもいいじゃん。たまには2人で話そうよ』

女はわざと修の腕に胸を押し付ける仕草をした


修とこの女はもちろん他人だ


修の父親が風俗かどこかで見つけてきた野良猫のようなもの

勝手に部屋に上がり込み、知らない間に去っていく


この女だけじゃない


修の父親は女癖が悪く、色々な女に手を出していた


学歴も育ちも最悪だけど、何か惹き付ける魅力があるのか修の父親は女に困る事がない


そのおかげで何年も仕事をしておらず、女に貢いでもらっている



『ねぇ、お姉さんがお小遣いあげようか?修君にも欲しい物ぐらいあるでしょ?』


修は無理矢理座らされ、その横で女が財布を取り出す


『いらない』


女が札を取り出す前に修はきっぱり断った


多分、女の年齢は20代後半

まだ若いのに財布にはたくさんのお金が入っているように見えた


『ふーん。そっか』


女は財布をテーブルに投げ捨てた後、修の肩にもたれ掛かってきた



『修君って女知ってるの?』