Iの漂流戦士





【殿町 駅前ターミナル】



『おー悪いな。呼び出しちゃって』


正義を待っていたのは倉木

“話があるから殿町に来てくれ”

そう電話で言われ、正義は急いでこの場所に来た


本当はあの後、一馬が通っていたと思われる入江(いりえ)中学に行く予定だった


でも倉木から改まって話があると言われたら、行かずにはいられない


それに…


考えてみれば、今まで正義は倉木に少しだけ遠慮をしていた


枝波修と深い関わりがあると知っていながら、その核心的な部分には触れられない


だけど、やっぱり知っておかなければいけない事なのかもしれない



休日だけあって殿町は人で溢れている

その人の波に飲まれないように、正義と倉木はあてもなく歩いていた



『あの…話って…?』


休日を楽しむカップルや家族

みんな楽しそうな顔をしているのに、正義だけは真剣な顔をしていた



『そんな深刻な顔してプレッシャーかけんなよ』

苦笑いをする倉木は普段通りで、少し違和感を感じた

最近の倉木はあまり元気がなくて、正義に対してもよそよそしかったのに