Iの漂流戦士






【東和市 岼根町】





学校が休みの休日、正義は見知らぬ土地に居た


車を走らせる事1時間

着いた場所は東和市岼根町(とうわし ゆりねちょう)


一馬から聞いたこの場所は、正義にとって初めて行く土地だった


決して大きな町ではないけれど、不便さは一切見当たらないごく普通の町



『………ここか』


正義が向かった場所は古い家が並ぶ住宅地

新しい家がどんどん増えていく中、昭和の香りが残る唯一の場所だ



ーー--------ーゴクン。


正義は思わず唾を飲んだ

目の前にある昔ながらのアパートは人気(ひとけ)がなく誰も住んでいない様子


それどころか、階段や壁の塗装はひどく錆び付いていた


でも正義が驚いたのはそんな理由ではない


目の前では普通の住宅地では絶対ありえない光景が広がっていた



“立ち入り禁止”


そう書かれた黄色いテープがアパートの回りに張り巡らせてある



ここは修が生前住んでいた場所



この場所を正義が知っていたのは、一馬から教えてもらったからじゃない


この町の名前を聞いた瞬間、正義の脳裏に浮かぶものがあった



“東和市岼根町”

そう町の名前が連日連夜、テレビで流れ続けたあの日ーーーーーー