Iの漂流戦士






『………はぁ』


正義は大きなため息をついた


正義にとってターゲットにされた横川を守れた事は良かった


しかし、殺人鬼である修はまだ殺人鬼のまま

明日にはまた新たなターゲットを見つけ、裁いてしまうかもしれない




『……ー……ー…ー…』


そんな事を思っていると、正義の耳に聞き覚えの声が



『…ー…………ー…』


鼻歌のように聞こえる声は、確かに以前経験している



『………ナノハちゃん?』


そう呟いた後、正義は声がする方へと歩き出した


たどり着いた先は商店街からさほど遠くないナノハと所縁(ゆかり)のある場所だった


『……♪……♪』


ナノハは歩道にしゃがみこみ、鼻歌を歌いながらある物を見ている



『ナノハちゃん』


正義が声をかけると、ナノハは意外にも冷静だった



『見て見て、芽が大きくなってるの。もうすぐお花が咲くかもしれない』


ナノハが居た場所はイチョウ通り

正義とパンジーの花を植えた場所だった



『驚かないの?急に俺が来て』


正義はそう言いながら、ナノハの隣に座った


ナノハはニコリと笑い、大きくなった芽を指で小突いた



『驚かない。だって私が呼んだんだもん』