Iの漂流戦士






そんな二人の様子を同じ屋上で見守る影があった

屋上の貯水タンクがある塔屋、そこに座るナノハと一馬




『修のあんな顔初めて見た……』


ナノハの目は少しだけ潤んでいた



『そうですね。僕もです』

一馬は込み上げる気持ちを隠すかのように、目線はパソコンに向いていた

しかし、電源は入っておらず画面は真っ暗なまま





『……ねぇ、一馬。
一馬は今幸せ?』


ナノハの突然の問いに、一馬は一瞬固まった



『…………』



答えられなかった、即答出来なかった。その理由は………




『私は幸せだよ。……でも修のあんな顔見たら絶対そんな風に思えないよ』


ナノハは両手で顔を覆い、肩を震わせた

そんなナノハを見て、一馬はパソコンの電源を入れた



その後すぐに何かを打ち込み、ゆっくりと立ち上がる。そして一馬は修の表情をもう一度見た



『ナノハさん泣かないで下さい。僕まで悲しくなります』


一馬は目を閉じ、自分に問いかけた



“今幸せ?”


やっぱりその答えはナノハと同じ


一馬は何かを決意したかのように空を見た



その空は一馬が生きていた時、最後に見た空と似ていた



そこへ飛び出したら、自分の生きやすい世界に行ける


そう自ら命を経ったあの時の空に