でもそれは聞こうと思えば聞けた事で、それを聞かなかったのは正義自身
『……倉木さん俺、修君に会いましたよ。それで少しですけど会話もしました』
倉木はさほど驚きもせず、『…そうか』と一言だけ返した
正義は頭の中であの時の修を思い出していた
暗闇の赤磐(あかいわ)市で、修と初めて会った時の事を
“言葉なんかじゃ救われない、そんな事で救われてたまるかよ”
そう寂しい顔で言った修は殺人鬼01ではなく1人の少年、枝波修だった
そこまで彼を苦しめたものはなんなのだろう?
一時は殺人鬼を追う事を諦めようと思った正義
だけど今は再び、追い続けたいという意思が強くなっている
だってこうして彼らの事を思い出すと、それは全部悲しい顔
“…………ここで全てを話しても、あなたはまだ受け入れられない。僕達にもあなたにもまだ時間が必要だと思います。”
そう言った一馬
“……殺人鬼になって誰かを救えても、自分達が救われない事、本当はまだ過去に縛られてるんだと思う。私も一馬も修も”
そう言ったナノハ
“明日を生きる事よりも、明日死ぬ事に希望を感じた事はある?
………ないだろ?先生”
そう言った修
その3人全てが悲しみの中に居た



