Iの漂流戦士






----その瞬間、高木功の中で何かがプツンと切れた



『そうですけど、それが何か?』


今までニコニコと優等生の自分を演じていた

だけど修の事に関しては、冷静でいられない


高木功の顔を見た編集者はニヤリと笑みをこぼす



『面白いと思うんだよね。高木君と枝波修君の関係』

どんな事でも売れるネタがあればそれに食らいつく

そんな編集者の言葉に高木君は怒るどころか笑ってみせた



『確かに面白いですよね。それ』

意外過ぎる反応に一瞬、周りを取り囲んでいる大人達が黙る


きっと大人達はこう思っていただろう

枝波修は高木功にとって一番触れられたくない事だと


でも実際、それは違った

高木功にとって枝波修は…………



『自慢の兄さんですから。僕達の関係性を書きたいならどうぞご自由に』


そう言って高木功は椅子から腰を上げた

スタスタ…と大人達を通りすぎ、ドアノブに手をかける


……とその時、ずっと質問をしていた編集者が声を出した



『自慢の兄さん?それは嘘だ。だって枝波修は………』


そう言いかけた時、編集者はゴクンと唾を飲んだ、その理由は……



『うるさいなぁ。これ以上兄さんの名前を出したら俺、何をするか分からないよ』


今まで見た事のない高木功の姿

ギロリと睨みつける目は本当に危険だと思わせるものだった