【都内某出版社】
完全に日が登り学生や社会人が通学、出勤をし始める朝の7時
数々の有名な本を出版している会社の一室に、学生姿の少年が1人
『こんなに朝早くに取材なんてごめんね?急遽君の本の特集を組むことになったんだ』
打ち合わせ室として使われているこの部屋には白いテーブルと無数の椅子
少年を取り囲んでいる大人の数は計5人
『いいえ、むしろ光栄ですよ』
ニコリと笑う少年改め、高木功は優等生の自分を演じていた
特集とは勿論、高木功が書いた
“漂流戦士”
本を出して半年が経つのに今だに本は売れ続け、ついにベストセラーの仲間入りになった
『内容は二万文字インタビューで、いつもみたいに色々質問するから高木君は自分の言葉で答えてくれればいいからね』
担当編集の男がペンを片手に質問を開始する
それと同時に質問をチェックする人や声を録音する人なども高木功の受け答えに集中した
質問の内容は大体いつもと一緒
“どうしてこの物語を書こうと思ったの?”
“物語のテーマは?”
“一番伝えたかった事は?”
“読者のみんなにメッセージを”
こんな質問を高木功は幾度となくされ、その度に的確な答えをしてきた
でも最近は少し周りの反応が変わりつつある
それは…………
『ねぇ、これは本当に君の実体験なの?ほとんどがフィクションって噂もあるけど』
注目されればされる程、世間ではその裏側を見たがる



