『僕達いつまで“ここ”に居られるんでしょうか』
殿町を照らす太陽が一馬の真剣な顔を映し出す
修は思わず顔を背けてしまった
『なんだよそれ』
笑いながら修は外の景色に目を向ける
一馬は普段から弱い事は言わない
どれだけ心で思っていても、それを口にする前に頭で考えて処理してしまうから
だからこそ、こんな事を言った一馬の顔を修は直視出来なかったのだ
『…………僕も見るんですよ夢』
一馬は消えそうな声で言った
それを聞いた修の反応は無反応だった。しかし手すりを握っている手はどんどん強さを増している
『だから眠りたくない。夢を見るほど深く眠りたくないんです』
一馬もまた苦悩していた日々に縛られていた
その傷は深く、そして痛い
暫く無言が続いた後、修がようやく口を開いた
『逆だよ』
『………え?』
一馬が聞き返すと同時に、修はクルリと体を方向転換させた
修は一馬の瞳を見つめながら、ゆっくり話し始める
『いつまで“ここ”に居られるかじゃない。俺達は………もうここからどこにも行けねーんだよ』



