【オフィスビル26階 屋上】
殿(しんがり)の町に朝日が射し込む
まだ人々が活動を始めていない早朝4時。静まり返ってる空間の中でうなされている人物が一人
『…………ッ……』
ハッと夢の中から目覚めたのは枝波修
修の額には大粒の汗が流れていて、ハァ…ハァと荒い呼吸をしていた
周りをキョロキョロと見渡し、修は何かを確認している
見渡した先には普段と変わらない景色が広がっていた
冷たい屋上のコンクリート、そこにはうずくまって眠るナノハの姿があった
呼吸を整えた修はやっと夢から現実に戻り、それを確認するように右の手のひらを見つめた
『……ある訳ないのにな』
そう呟くと、屋上のドアがキィと開いた
『おはようございます。修さん』
現れたのは黒いノートパソコンを抱えた一馬
一馬はバタンとドアを閉めてその場に座った
膝に乗せたパソコンをすぐに開き、起動ボタンを押す
『また“あの夢”を見たんですか?』
一馬は修に向かって冷静に問いかけた
修は見つめていた右手を握りしめて、スッと立ち上がった
『……あぁ。おかげでこんなに朝早く目が覚めたよ』



