【私立睦八代高校 屋上】
正義同様、ずぶ濡れになってしまった高木功は今も雨に濡れていた
一時限目のチャイムが学校に響き、生徒達は席に着く
学校に一番のりした高木功は教室には行かず、屋上に居た
今まで無遅刻、無欠席だった高木功の記録は今日で終わった
だけど、今の高木功にとってはどうでもいい事
だって優秀な自分を演じていたのも、他人の目に映る姿を具現化していただけの事
高木功自身、真面目でも優秀でもない
『なんで言っちゃったんだろうな……』
高木功は手すりに手をかけ、先程の光景を思い出していた
誰かの前で取り乱す事など、今までになった
ましてや声を荒げるなんて事は一度だってない
それに…修達が死んでいるなんて事を言うつもりも、教える気もなかったのに
『…あんなに焦るなんて俺らしくないよな』
ずぶ濡れになりながら高木功は呟く
そして思った
あれじゃ…まるで本当にあの人が兄さん達を救えるみたいだ、と
いつもみたいに笑い飛ばせば良かった
そんなの無理だと、
あなたに兄さん達は救えないと
今冷静に思えばそう感じる事ができるのに、あの時は無理だった
焦らずにはいられなかった
だって正義の目があまりにも強かったから
“君に許可はとらない。俺はもう救うと決めたから。ナノハちゃん、一馬君、そして修君を”



