Iの漂流戦士






正義が言い終わると、高木功は傘を投げ捨てた

空から降る雨が高木功の制服を濡らす




『もう一度と言います。あなたの話しは根本的にズレてる』

高木功は拳を握りしめた



救うだなんてそんな事許さない


何も分かっていない正義に、怒りしか沸かなかった


でもそれと同時に悲しみが襲ってきた。兄である修がそこまで正義に打ち明けた事


まして、心に傷がある事まで言うなんて


修は軽々しくそんな事を言う人間じゃない。高木功だってずっと修を見てきたからこそ知っている


修が正義のような真っ直ぐな人間には弱い事を



『なんで………。なんであんたみたいな人間が今さら現れるんだよ』


高木功は声を震わせた



(…………?)



『なんで、なんで今さら兄さんを救うなんて言う人間が現れるんだよ!!!!』


高木功の怒鳴り声が辺りに響き渡った

正義はただ呆然とし、高木功を見ていた



確かに高木功は殺人鬼達の味方

だから救うなんて言う正義を良く思わない事は分かっている


でもどうしてここまで……