Iの漂流戦士





新造は余裕な表情でタバコに手を伸ばした

一本のタバコに火が灯ろうとした、その時



------バコッ!!!!!!!!!!

勢い良く新造の顔が揺れた


そこには怒りを押さえられない正義の姿があった

そう、正義が新造を殴ったのだ


教師生命など、どうでもいい

目の前の子供も救ってやれないのに何が教師だ

何が愛の手だ


正義は教師でも愛の手でもなく、星野正義として新造を殴った


新造の唇は切れ、少し血が流れていた

新造はこれで完全に有利になった



『おい、警察呼べ。勝手に家に入られ、暴行されたってな』


新造は隣の女に指示し、携帯を持たせた


『あんたこれで満足したのか?自分に何も出来ないから殴るなんて最低な人間だな』


新造の言葉に正義はプツリと切れた


『俺を最低な人間と言うのならあなたも最低です。あなただって何も出来ない隼人君を傷つけ、力で押さえ付けて来たんでしょ?』


その間に女は服を着替え、別の部屋へと移動した

たぶん警察に電話をかけているのだろう


でもそんな事、今の正義には関係なかった



『あんたのはただの“暴力”、俺のは“しつけ”だよ。』


きっと新造は今までもこう言って逃れてきた

親が子を叱り、手をあげる事は犯罪ではないから


『それなら……俺もしつけですよ』

正義の言葉にピクリと眉を細めた新造


『悪い事をしてはいけないと、大人が大人をしつけたらいけませんか?』