Iの漂流戦士



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自宅に戻った正義は力が抜け、食卓の椅子に座り込んだ



『はぁ……』

ため息をこぼし、自然と手がタバコに伸びる

その時ふっとある出来事を思い出した


愛の手で活動を始めて数ヶ月、

いつものようにタバコを吸っていた少女を注意した時だった


『なんで大人は吸っていいのに、子供はダメなの?』

平然と質問して来る少女に正義はこう答えた


『そう法律で決まっているからだよ』


すると少女はこう言った


『そうゆう事だけ忠実に守って、大人はズルいよね』

この時の正義はあまり気に止めなかったが、今ならその意味が分かる


確かにそうかもしれない

子供より大人の方がズルい生き物のような気がする


別の日には違う少女にこんな事を言われた


『私タバコって大嫌い』

正義が“どうして?”と聞くと少女は言う


『だってタバコってイライラしたり、言葉に詰まったり、自分を誤魔化す時に吸うじゃない。…私の両親は私と話してる時はいつも吸うよ』


その時の少女達の言葉を思い出した正義は、タバコを口から離した


(確かに俺も…最近はタバコに頼る癖がついてる)


暫く考えた後、

吸いかけのタバコを灰皿に押し付け、タバコの箱をゴミ箱に捨てた


正義が禁煙を決意した瞬間だった